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グレースコーサーの軌跡15 北の大地の子や孫や曾孫たち

 二年ぶりの広大な北の大地に、子や孫や曾孫を訪ねた4日間
の旅は無事終わりました。5月15日は朝からご多忙な 中、日本純血アラブ馬協会会長であり、自らアラブ馬を飼育し繁殖させ、小生と縁の深いアバス(ABBAS PASHAⅠー13)を繋養され馬のエッセイストとしても著名な旋丸巴女史、ご主人の石村様を煩わせ、楽しみにしていた、「独立行政法人 家畜改良センター 十勝牧場」にグレースコーサーと世代交代したグレースコーサーの息子ケイソウ(慧双)の雄姿や鹿追町の片山牧場に繋養されている(日本純血アラブ馬協会に貸与されている)グレースコーサーに二年ぶりに会うことができました。
 省みれば20余年前、ふとした事情でハンガリーのBABOLNA牧場を訪れた際、偶然に出会ったアラブ純血種に心を動かされ、いろいろな障碍も何とかクリアでき、[繁殖に使用しない愛玩動物]として輸入が許可されたのでありましたが、遠く故郷を離れ二度と故国の土を踏むことはないであろう馬たちの将来を考えるとき、非力な自分の行為を反省することがしばしばでありました。
 その様なとき、役所の方から「遺伝資源」として活用したらどうか、つまり種畜登録をして繁殖馬として子孫を残していくという「行政指導」があり、 使用目的の変更を許可されたのでありました。これは我が国では希少なアラブ純血種の魅力が認められたものと信じています。
 1992年5月25日IBN GALAL Ⅱー2 とIBN GALAL Ⅰー6の第一子、グレースコーサー(十勝牧場で命名された)が誕生したのでありました。二週間ほど遅れて誕生したサラの息子とこの二頭の子馬は翌年、宮崎育成牧場に引き取られ、ここでまさに英才教育を受けた後、グレースコーサーは「農林水産省 家畜改良センター 十勝牧場」を活躍の場所とされたのでありました。
 この度、その息子ケイソウ(慧双)と世代交代して二世代に亘って、国立牧場に於いて「遺伝資源」として活用されることになり、このBABOLNA牧場から割譲されたエジプト系純血アラブIBN GALALの一族が我が国の馬文化の向上、特にエンデュランスにおいてグレースコーサーの息子アランの活躍は目覚ましく日本馬術連盟より2007年度「父内国産最優秀乗馬」に選定されたことなど20年前に見た”BABOLNAの夢”が北の大地でアラブ馬を愛する皆さんの努力で今、まさに花開こうとしています。グレースコーサーの生産者として、これ以上の喜びは有りません。関係された皆様に感謝申し上げる次第であります。
 併せて、北の大地でアラブ馬を愛し、愛馬と共に活躍されている皆さんの幸せを祈りつつ、再会を楽しみにしています。
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富良野
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by babolna | 2008-05-21 06:04 |  

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