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バボルナ創立2〇〇年 8


モテナシ 二頭立ての馬車で
1989年8月20,21の2日間に亘って執り行われた創立200年の記念式典及びそれに伴う
イベントは全て滞りなく終了したのではあるが、「1日か2日滞在を延ばしたい」との私の希望を快く聞き入れてくれていたのであった。
記念の行事は滞りなく終了した翌、8月22日
宿舎の傍の本部中庭の風景をビデオカメラに収めていると、葦毛のアラブの二頭立ての馬車が軽快なヒズメの音を弾ませながら私の前に近づいて来て停車した。
やがてマネージャーのMr.TUU氏が現われ馬車の方を指差して「どうぞ」と一言。私が怪訝そうにしていると、「今から、あなたの馬達のお母さんが居る牧場に案内します。」と、馬車に乗せられ近くの厩舎で純白の葦毛で少し愁いを込めた表情の、ジャミールの母親、23 GALIONを見た。それから2km程離れたところのハナンとアバスの母親達の牧場へ中世にタイムスリップしたような気分を味わいながら馬車でのドライブを楽しませてくれた。
アバスの母親、228 IBN GALAL は馬房で生まれて間もない雄仔馬を連れて幸せそうにしていた。その厩舎の裏の広い牧場では10数頭の妊娠中の牝馬達が、とても食べ切れそうもない程に茂った草を食みながらのんびりと時を過ごしていた。
管理人に指示された少年は急ぎ足で2~ 300メートル先の馬の群れに近づきその中のひときわ目立つ白い牝馬の鬣(たてがみ)を掴み、左手で鼻筋を押さえてゆっくりとした足取りで私
達のところえ連れてきた その背中にはB3 29と烙印があり、紛れもなくハナンの母親29 GALIONであった。長い首筋とたてがみ、長くて豊かな美しい尾。しかし、彼女は1973年生まれで既に17歳。何頭の子供を産んだのか、体型は可なり崩れているものの、その振る舞いはハナンとよく似ていた。
他の馬達と一緒によく茂った牧草を食べながら、仲良く暮らしている光景を目にして、ハンガリーに来たことを、私は本当によかったと思ったものでした。
創立200周年の記念の行事が済んだばかりの、まだ完全に落ち着きも取り戻したとは言えない多忙な時に、“私一人の為に”、わざわざ馬車を仕立ててくれたDr。ナーギーの心づかい。車を使えば簡単に済むことをこれこそ遠来の客への最高のモテナシとして私は受け止めている。(馬車1台を運行するのに、調教された馬が二頭、御者二名、案内一名が必要)*この模様を撮影した、ビデオの映像を紹介出来ないのが残念
*此の時は3度目の訪問であったがハンガリーでの夕食は、いつもジプシーの生演奏を聞きながらの優雅なものであった。バボルナの計らいにより、今回は滞在中この国の外務省嘱託の通訳で流暢な日本語で話してくれるDr。ERDOS GYORGYに常に同伴して頂き、この国のことを色々と学ばせてもらった。
 *この人と話していると自分が異国に居る事を忘れてしまうほど親近感を覚え、安心して旅が出来るのであった。

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創立200週年の大任を果たしての一服、農場長Dr.ナーギー氏
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資料、5頭立ての調教風景
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 妊娠馬の放牧場
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(有)日本バボルナ

by babolna | 2006-08-13 21:41 |  

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